
とにかく居心地のよい空間である。例えば、昼下がりにぶらりと訪れてカウンター席に座る。コーヒーを頼んで、シンガーソングライターのやさしい歌声を背景に読み差しの本を開く。本の世界に浸りつつも、読書を邪魔しない耳にやさしい歌声の持ち主は誰かと気になりだす。いつしか店主と話が弾み、コーヒーはお酒へと変わり、窓外の風景に灯がともりだす。そんな感じである。
それもそのはず「街の中にあるリヴィングルーム」は、シャロウズカフェのコンセプトでもあるのだ。お店のオープンは2008年4月1日。店主の山瀬さんは、開業にあたり、自分がそうであるように、落ち着いて過ごせるお店、長時間滞在ができるお店にしたいと心がけたそうだ。
照明の明るさもその想いを物語っている。山瀬さん自身がお店で本を読むのが好きなので、音楽をかけるお店とはいえ文字を目で追えない暗さにはしたくなかったという。もちろん、日が落ちれば店内の照明も落とされるが、夜の落ち着きと読書のできる心地よさが同居した環境が不自然なく保たれている。
西荻窪を開業の地に選んだのも、この街のレイドバックした雰囲気が好きだったからだという。ジョン・セバスチャンやグラム・パーソンズのジャケットを手にして、レイドバックしたジーンズスタイルの良さも語る。ここで言うレイドバックとは、緩んでいるのではなく「芯があるけれど力んでいない状態」である。
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