ジーンズとレコードが 贅沢品だったあの頃が僕の原点です

 僕がロックに出会った'73年頃は、今では想像もつかないほど情報のない時代でした。海外の音楽とそれを取り巻くものに恋をし、少ない小遣いをやりくりしてレコード盤や本を集め、映画を観に行きました。その中で、妙に惹き付けられる言葉がありました。 “HOBO”……さすらい?それって何?HOBO SONG?聴きたい!知りたい!という気持ちでいっぱいになりました。

 当時の映画はアメリカンニューシネマにまだ勢いがある頃で、「スケアクロウ」「真夜中のカウボーイ」などで知ったアメリカの大地、病めるアメリカ、ざらついた感触、ハードボイルド……すべてが鮮烈でした。その中で聴いた音楽、バーボンウイスキー、タバコ、そしてジーンズとすべてを体験したいと熱烈に思った中学時代でした。

▲1階にはこの看板。階段をあがれば音楽
 好きのパラダイスはすぐそこに。

特にレコード盤やジーンズは贅沢品だったので、アルバイトの給料やお年玉がはいり懐の温かいときに、音楽好きの友人と一緒にレコード&ジーンズ買い出しツアーを組むのが一大イベントでしたね。 渋谷の百軒店にあった「シカゴ」でジーンズを買い、「ムルギー」でカレーを食べて、「ブラックホーク」でコーヒーを飲みながら音楽を聴くのが最高の贅沢。その想いは、ずっと僕を突き動かし続け、気が付けばロック酒場のオヤジになっていたというワケです。

“BIRD SONG CAFE” OWNER
        梅澤 淳一
梅澤さんレコメンドのラングラー・ジーンズに似合うアルバムを3枚紹介。ルーツでスワンプなセレクトは、梅澤さんのアイデンティティともいえる。泥臭いサウンドは、まさにラングラー・ジーンズにぴったりだ。
ムーンドッグ・マチネー/ザ・バンド
Moondog Matinee/The Band
 ザ・バンドが1973年にリリースした全曲カバーのアルバム。「カナダ出身の4人とひとりのアメリカ人が、アメリカルーツ音楽への恋慕を表したアルバム。'50年代の楽曲を中心にザ・バンド流にカバーしています。彼らのさすらいの歴史の集大成とも言えるとも思います。(梅澤さん談)」
東芝EMI TOCP-67397
ザ・トレイン・アイム・オン/トニー・ジョー・ホワイト
The Train I'm On/Tony Joe White
 1943年ルイジアナに生まれたスワンプロックの雄、トニー・ジョー・ホワイトの名盤。「僕のフェイバリットシンガーです。さすらい、というよりしっかりアメリカ南部に根ざした土着型の人。田舎のプレスリーといった感もあります。ただし、このアルバムのジャケットとタイトルソングには、ジーンズが似合う旅する男の哀愁がプンプンです(梅澤さん談)」1972年リリース作品。 
※写真はLPジャケットを複写したものです。
ワーナー・ミュージック・ジャパン/WPCR-1995(CD発売中)
3614ジャクソン・ハイウエイ/シェール
3614 Jackson Highway/Cher
 南部音楽好きの憧憬の地マッスルショールズ・サウンド・スタジオで録音したシェールのアルバム。「マッスルショールズならではの録音もさることながら、スタジオ前でのスタッフとのスナップ写真が印象的でジーンズ的です。ネイティブアメリカンの血を引く彼女は、強くも優雅に人生を生き抜いてきた旅人でもあるかな、と思います。ヴォーカル、バック共に最高の出来栄えです!(梅澤さん談)」
ATOCO/SD33-298
入り口をはいってすぐの壁はアーティスティックな雰囲気。
カウンター内部のDJブース。レコードプレイヤーが嬉しい。
バードソングカフェは愛犬と一緒でもOK。散歩の途中に立ち寄りたくなる。
お客さんから寄贈されたという絵。描かれている人物はトム・パチェコだ
壁にはザ・バンドのポスターがさりげなく張られている。
“BIRD SONG CAFE” OWNER
梅澤淳一
Junichi Umezawa

 元々は広告代理店に勤めていた「音楽フェチの広告屋」と呼ばれた程の音楽好きで、いわゆる洋楽と呼ばれる音楽の最初の体験はエルヴィス・プレスリー。その頃('73年)は第一次オイルショックで日本中が大騒ぎした頃で、「トイレットペーパーが無くなる、歓楽街のネオンは消える、何よりも痛かったのはレコード盤の値上げ!」(梅澤さん談)という状態だったとか。ともあれ、エルヴィスを知ることの探求心がアメリカンミュージックの深淵へと梅澤さんを誘っていった。

 
 「良質、本物の音楽を音楽愛好家の皆様へ」をモットーにするロックバー。初めての人でもすぐになじめてしまう空間と音楽、そして梅澤さんの自然な対応が嬉しい。リーズナブルで、安心して飲める「ロック酒場」を目指している。
 音楽は、アメリカ、カナダ、イギリスを中心とした'70年代から現在に至るロック、シンガーソングライター、ソウルなど、人間の温もりを感じさせてくれるものをチョイスしている。愛聴盤の持ち込みも大歓迎というフランクさ。ホームページは、前日にかけたアルバムのリポートなどほぼ毎日更新されているので、こちらも必見。DJナイトからライブもある。
 「まだまだ出来たてほやほやの店なので、お客様と一緒に作り上げていきたいと考えております」(梅澤さん談)
 愛犬同伴での来店もOKというのも、ヒューマンで嬉しいサービス。ぜひ、一度足を運び奥深い音楽の世界に心地よく身を委ねてみることをオススメする。
ADDRESS/ 目黒区上目黒1-15-13-2F
TEL/03-5459-7056
OPEN/MON-SUN18:00-深夜 無休
URL:http://birdsongcafe.oops.jp/
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